有限会社アイ薬局
代表取締役 村木 理英

統括兼地域災害薬事コーディネーター、有限会社アイ薬局代表取締役(総社市議会議員、防災士)の村木理英と申します。今回、岡山大学病院の大川恭昌先生より、バトンをお受けしましたので、リレーを繋げさせていただきます。
現在、地球温暖化による気温上昇や集中豪雨など世界規模で自然災害が頻発している。今後10年以内に起こるであろうと言われている南海トラフ大地震に備え、被災地での薬剤師の活動には移動薬局車両が必要であると、岡山大学の故名倉弘哲教授にご教示いただいた。そこで、中古車両を購入し、機器などの装備品を配備し用意したが、「モバイルファーマシー」とは名乗ることができなかったことから、名倉教授に移動薬局車両(エマージェンシーファーマシストヴィークル 以下「EPV」)と名付けていただいた。
そして、導入してわずか5カ月で、EPVを使っての災害支援を行うこととなった。平成30年7月、西日本豪雨災害で、岡山県薬剤師会の派遣依頼のもと、EPVで避難所に出向き、日赤医療チームやTMATと連携し約850人の災害処方箋の対応と、目薬やかゆみ止めなどのOTC医薬品の提供を行った。
EPVでの支援活動により見えてきた課題解決のため、令和元年度に岡山県薬剤師会災害対策特別委員会の担当理事を拝命し、初動活動を円滑に行うための支援体制の整備を行った。まず、岡山県公安委員会に対して災害時に緊急車両として通行できるための事前手続を取ったうえで、岡山県薬剤師会とEPVでの支援活動の協定締結を行った。さらに、令和3年2月には、地元総社市とも医薬品等の確保・供給に関する協定締結を行い、その中でEPVによる供給体制を明記した。
被災地での活動は、平時とは大きく異なり、医薬品や物資が限られている中で最善の選択をする必要があるうえ、関係機関との的確なコミュニケーションを図ったうえで迅速な支援を行わなければならない。日ごろから、こうした心構えを持ちながら業務にあたることの重要性を引き続き伝えていきたい。

平時のEPV活用(地域に出向いた健康測定イベント)