保険調剤の基礎から応用
〜実務に即したスキルアップ講座〜
岡山県病院薬剤師会での新人薬剤師研修会の取り組み
岡山県病院薬剤師会では、長年にわたり、県内の他の病院薬剤師との交流促進や、病院薬剤師としての基礎的な知識向上を目的とした新人薬剤師研修会を開催してきました。この研修は、就職後数年を経験した新人薬剤師を対象としており、若手薬剤師が早い段階で知識や技術を高める場を提供しています。
一方で、岡山県薬剤師会においては、集合型の新人薬剤師研修会の実施はなく、それぞれの就職先に新人教育を一任しているのが現状です。そこで今回、岡山県薬剤師会の社会保険委員会が主催し、「薬局での調剤業務の流れ」に焦点を当てた新人薬剤師向け研修会を企画・開催しました。


第1回 新人薬剤師研修会の概要

記念すべき第1回目の研修会は、1/13(月)に開催されました。今回の研修会には、薬局薬剤師としての経験年数が1~3年目の7名の先生方にご参加頂きました。参加者は2つのグループに分かれ、グループワークを中心に進める形式で行いました。開始当初は、緊張からか硬さが感じられる場面も見受けられましたが、次第に打ち解け、全員が積極的に議論に参加されていました。

研修内容は、厚生労働省が令和4年の調剤報酬改定時に示した「薬局での調剤業務の流れについて」に記載されている項目を中心に構成しました。特に、調剤管理料に関連する「前確認」と服薬管理指導料に関連する「服薬指導・記録」の重要性に焦点を当てました。これらのテーマは、近年の調剤報酬改定に伴い、薬局薬剤師に求められる業務が大きく変化している現状を踏まえたもので、特に新人薬剤師の先生方に知っていただきたい内容です。例えば、前確認では、患者との効果的なコミュニケーションが鍵となります。また、薬歴の記載では、患者さんの背景を正確に把握したうえで、適切な情報を記録することが求められます。研修中では、具体的な症例課題に対して議論を深めました。
今後の展望
来年度は、今年度の研修会の成果を活かしつつ、「薬局での調剤業務の流れ」についてさらに深掘りする内容を計画しております。今後も、新人薬剤師の成長を支える場を提供し、岡山県内の薬剤師業務の向上に少しでも貢献できればと考えております。
なお、本研修会は連休の最終日というご多忙な日程にもかかわらず、ご参加いただいた先生方に、心より御礼申し上げます。