現代アートを体験できる場所が身近にあるという。それは瀬戸内海の「直島」である。今や誰もが知る現代アートの聖地という。
過疎の島に、古民家、寺があり、そこに現代アーチストが世界的な美術館を建て、島全体が自然と調和したアートとなっている。直島に来れば、日本に居ながらにして世界のアートと対話できると言う。
アートは観察力を高め、同時に多様な見方や、考えたことのない視点を与えてくれます。そしてアートは常に新鮮さをもたらします。革命であり時代を動かす力があります。現代アートに限らずアートに関する見方、解釈は自由であり、正解があるわけではない。アートを通じて創造性を高め、自由に考える能力を身に付ければ、全く違うものを結び付ける、新しい発見にも繋がることもある。
言葉が通じなくても伝わるものもあり、アートを通じて、国や民族を超えた共通性が発見出来、共感や協力について考えることが出来、一緒に行動するきっかけにもなる。
アートの歴史はキリスト教の歴史に通じる。キリスト教、特にカトリックが世界に広まったのは、一般の庶民にも分かりやすく教える説明をしたためである。
その分りやすさのツールが、アートであった。アートを通じてキリスト教を簡単に学ぶことが出来るようになった。
イエスの宗教画を見ると、誕生、幼少期、活動期、晩年期、磔刑、復活とミケランジェロ、レナルド・ダ・ヴィンチなどの画家が繰り返し描いている。
古代ギリシャのアートは彫刻だ。ギリシャ神話の神々は紀元前5世紀頃に黄金期を迎える。そして、古代ギリシャの前には、エジプト、メソポタミアのピラミッドや壁画、粘土板に刻まれたアートがありました。
スペインとポルトガルがあるイベリア半島はキリスト教の支配下にありましたが、アート的には、スペインの世界遺産アルハンブラ宮殿を残している。
イスラム風味としてこの地にアートの多様性をもたらしている。
アートはどんなビジネスにも有効である。それには、コミュニケーション力、心を動かす能力、思考を促す能力の3つの効用がある。
思考を促がす面では、世界を大きく動かす人は、何時も問題意識を持っている。その時いろんな思考の中で、日頃から色んなアートに接していれば、幅の広い選択ができ、独善的にならないという。いろんな人との議論が出来る。アートは観察力を高め、同時に多様な見方をできるようになる。
絵画に向き合う時、音楽に浸っている時、それは非日常的であり、心の余裕が出来たときである。この時精神的な豊かさを感じるであろう。
この精神的な豊かさの積み重ねが、多忙な日常生活の安らぎになり、愉快で楽しい毎日となる。この時間は家族との時間、ビジネスの時間、自分自身の時間ともなり、個人の成長につながるであろう。
古代ギリシャの有名なことわざの「健全な精神は健全な肉体に宿る」という言葉はこれがアートの起源である。そしてこれが長い間伝統的考え方となって今に至っている。
現代の潮流となっている ChatGPT などの生成AIはどのように問いを発するかによって、引き出せる答えが全く違ってくる。事象に対する教養がある事、自分独自の仮説があることが、有意義な答えを出すための必須条件になる。アートについて民族性や歴史などの教養があれば、自分ならではの独自の考え方が身に付いている。
アートの多くは、人間心理の内省や社会への問題喚起なので、価値観が多様化し、答えが出ない時代に於いては深く「思考する」為の良きトレーニングになるようだ。