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vol.278 2025年11月号

令和7年度第1回アンチ・ドーピング講習会

委員 寺本 賀一

去る9月20日、岡山県薬剤師会と奈良県薬剤師会の合同企画として、令和7年度第1回アンチ・ドーピング講習会が開催されました。両県薬剤師会が合同でこのような講習会を行うのは初めての試みであり、当日は約150名が参加しました。開会にあたり、岡山県薬剤師会副会長の成広先生よりご挨拶をいただき、閉会の言葉は奈良県薬剤師会会長の後岡先生が務められました。

講師には、岡山大学学術研究院医歯薬学域 岡山県南東部(玉野)総合診療医学講座助教の大野洋平先生をお招きし、「パラアスリートヘルスケア外来について」と題してご講演を賜りました。講演では、リハビリテーション医学の基礎から、パラスポーツの語源やパラスポーツにおける障害者のクラス分けの仕組み、普段から深く関わりのあるパラ卓球やご自身が経験された症例報告を含めた幅広い内容が取り上げられました。また、チームドクターとしてアスリートと関わる中での実践的なお話や、アンチ・ドーピングの観点、さらに新たな取り組みであるパラアスリートヘルスケア外来についても具体的にご紹介いただきました。クイズや動画を交えた構成で、参加者を惹きつけながら進められ、理解を深める工夫が随所に盛り込まれていました。

講習会終盤には当委員会副委員長の杉本より、「アスリートからドーピング防止に関する相談を受けた際に、薬剤師としてどのように対応すべきか」について具体的なお話をいただきました。実際の現場で直面し得る事例を踏まえた内容は、参加者にとって非常に参考となり、薬剤師の果たすべき役割を改めて認識する機会となりました。

本講習会は薬剤師にとって、日常業務の中では触れる機会の少ない分野を学べる大変貴重な機会となりました。質疑応答も活発に行われ、多くの質問が寄せられるなど、参加者にとって実りある時間となりました。

今回の合同開催を通じて、両県薬剤師会の連携が深まり、また薬剤師としてアンチ・ドーピングやパラスポーツ支援に関する理解が一層広がる契機となりました。今後もこのような取り組みが継続・発展し、薬剤師が担うべき役割の可能性を広げる一助となることが期待されます。

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