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vol.279 2026年1月号

様々な状況に応じたBCPの策定ができていますか?

委員 岡野 泰子

様々なシステムが導入される度に作業が増え「これが医療DX化か!」と感嘆とため息が入り混じっている今日この頃です。先日導入されたフォローアップ機能は、調剤後一定期間が経過した後、患者へ自動的に質問が飛び、「はい、いいえ」で返答してもらいます。「いいえ」があればアラートがつき、翌朝それを薬剤師が確認します。時には患者様からメッセージが付随されてくるので、返事、緊急性があれば電話します。声なき副作用を拾える可能性があり、一つ一つの作業は小さく、実際に起こる頻度も低いものですが、安全性には変えられません。そしてそのデータが集積されて、活かすことができるのもデジタルだからこそだと、自分に言い聞かせながら作業をしています。

さて、アレルギー・副作用についてですが、お薬手帳や薬歴での記録はできていますでしょうか?

医療機関が『電子カルテ情報共有サービス』に登録し、薬局でも閲覧できる【6情報】があります。①傷病名、②(診断された)薬剤アレルギー、③その他アレルギー、④感染症、⑤検査、⑥処方です。これは患者様本人がマイナポータルで確認もできるようです。逆に薬局からの登録はできないようなので、アレルギー・副作用情報は患者様が医療機関に申告する必要がありそうです。

先日70代のAさんが、B歯科より処方されたセフカペンピポキシル塩酸塩100㎎、3錠、分3、毎食後5日分をC薬局で調剤されていました。セフカペンの服用状況を訊ねたら「抗生剤にアレルギー経験があり怖くて1日分だけのんだ。3か月前にもらったセフカペンも1日だけのんだ」とのこと。「10年前にD病院整形外科で膝人工関節手術の時にやった点滴の抗生剤でも嘔気がひどくて」。当店で登録しているアレルギー歴はペニシリンのみ。Aさんに同意を得てアレルギー・副作用を問い合せました。AさんはE病院にて潰瘍性大腸炎のためペンタサを服用中ですが、B歯科は「禁メサラジン」。E病院は10年以上前に紙から電子カルテへ移行した際のメモで、カタカナの列挙の中ではミノマイシンを判別できたのみ。D病院ではアレルギーはペニシリン、術後疼痛でフェンタニルPCA使用時に嘔気。中止後は軽快。抗菌剤はセファメジン注射とクラリスロマイシンを使用したとのこと。上記結果より、「アレルギーはペニシリンとミノマイシン。使用可能な抗菌剤はセフカペン、クラリスロマイシン。術後フェンタニルで嘔気」と、お薬手帳のサマリーに記載し、B病院とE病院の診察時に提示するように伝えました。

Aさんの各病院が提供した【6情報】を閲覧できる未来はもうすこし先のこと。患者様自身が副作用やアレルギーをきちんと把握して共有できるための啓発は、薬剤師ができうる医療DXの小さな作業の一つです。

参照:厚生労働省 令和7年9月3日 第1回 医療等情報の利活用の推進に関する検討会資料3

https://www8.cao.go.jp/iryou/studygloup/20250903/pdf/s-3.pdf

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