8月30日、感染対策研修会を開催しましたので報告させていただきます。本研修会では300人を超える薬剤師が参加し、最新の感染症の動向や災害時における感染症リスクについて理解を深める貴重な機会となりました。
最初の講演では、岡山県保健医療部疾病感染症対策課主任松岡保博先生より「岡山県内における感染症の現状について」と題し、ご講演いただきました。感染症の分類を整理した上で、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの、県内における流行状況が具体的に示されました。県民の健康を守るために、薬剤師を含む医療従事者が日々の情報更新に努めることの重要性が再認識されました。
続いて、岡山大学病院感染症内科准教授萩谷英大先生より「アルペジオで紡ぐ感染症対策〜災害と感染症〜」と題し、ご講演いただきました。感染対策の大前提は「手指衛生」であり、WHOが提唱する「5つのモーメンツ」を日常的に意識することの大切さが強調されました。特に、自己認識と実際の行動にギャップがある点について、具体例を交えた解説が印象的でした。また、災害時に懸念される感染症についても紹介されました。被災地でのトイレ環境や衛生管理の難しさから、災害関連感染症のリスクが高まることが指摘されました。レプトスピラ症、破傷風やウェルシュ菌によるガス壊疽など、頻度としては多くないかもしれませんが、現場で注意すべき感染症について解説がありました。また、ボランティア活動の基本として、「支援者側が流行性ウイルスを被災地に持ち込まない」という視点の重要性も強調されました。
今回の講習会を通じ、感染症に対する知識と行動を日頃から磨き、いざという時に地域住民の健康を守れるよう、引き続き学びを深めていきたいと思います。