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vol.278 2025年11月号

原薬工場を視察

参議院議員・薬剤師 神谷 政幸

「政幸だより」9月

令和7年7月31日、生化学工業株式会社様の久里浜工場を視察させていただきました。こちらの工場は1947年に開設され、医薬品の原薬となる高純度のヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸を製造されています。久里浜工場の特徴は、抽出と発酵による原薬製造に特化していることです。創業当時から長年培ってこられたコンドロイチン硫酸の高度な抽出・精製技術が現在まで受け継がれており、ヒアルロン酸の原料となるニワトリの鶏冠やコンドロイチン硫酸の原料となるサメ軟骨から、高純度の原薬を効率的に製造するノウハウを有しておられます。

工場で生産するヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸の製造概要についてご説明いただいた後、製造棟の工場設備の一部を視察させていただきました。原料から抽出・精製する高い技術力は、原薬を製造する長年の経験により培われた技術やノウハウが、数多く活かされていました。また、いずれの原薬も生物を原料とすることから、その品質や安全性を確保するための製造工程はもちろんのこと、工場視察の後に訪問させていただいた、品質管理部門における厳格な品質管理にも、高度な技術が使われていました。定量試験を行う技術者は、社内独自の資格試験に合格しないと定量試験やパソコンにもアクセスすることができません。また、検査における試薬の秤量を行う過程はバーコードで管理され、ログの改ざんができないようなシステムを導入するなど、信頼性を高める活動に尽力されていました。

薬価が下がり続け、人件費やコストが上昇する中、国産の原料を用いた品質管理体制を徹底的に整備し、医薬品の安定供給と国内製造に取組む先発医薬品の生産供給に取り組むプライドと信頼性を高める活動に力を注ぎ、人々の健康といのちを支える医薬品を製造する現場としての矜持を持つ姿に、改めて敬意を表する次第です。今回の視察をしっかりと政策に反映してまいります。

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