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vol.278 2025年11月号

病院薬剤師偏在解消への取り組み

参議院議員・薬剤師 神谷 政幸

「政幸だより」10月

2025年9月9日と10日の両日、石川県を訪問し病院薬剤師の偏在解消への取り組みを視察させていただきました。

9月9日石川県薬剤師会の乙田副会長、谷内事務局長とご一緒に、金沢大学附属病院薬剤部を訪問し、薬剤部長の崔吉道先生からお話を伺いました。患者のみならず医療者の高齢化や、医療介護福祉の需給ギャップが問題となっており、これらの問題は、将来さらに深刻化すると予想されています。薬剤師の偏在を解消する目的は、住民の健康を守る医療提供体制の確保にあります。

2018年、町立富来病院に初めて薬剤師の出向が行われました。その目的は単なる労働力の補完ではなく、薬剤師にとって魅力的な職場環境をつくることにありました。院長や町長とこの理念を共有し、全面的な協力を得ながら、課題の抽出、地域連携や薬薬連携のモデル構築、さらには地域での学びを大学病院での教育に活かす取り組みとしてスタートしました。続いて、2022年4月からは2番目の施設として宇出津総合病院への出向が始まりました。こうした取り組みが評価され、2024年6月の薬剤業務向上加算の新設へとつながっています。

9月10日、石川県薬剤師会の中森会長、崔副会長、橋本副会長、乙田副会長、森戸常務理事とご一緒に、宇出津総合病院を訪問しました。院長は出向によってがん化学療法が再開できたことを大変喜んでおられました。薬剤部の先生方は、大学病院との連携によって医薬品情報に関するパイプが太くなったことや、地域薬局との顔の見える連携が進んだことをメリットとしてあげておられました。出向された先生からは、退院時指導や事前合意プロトコルの運用を通じて、薬薬連携を実践的に経験できたとのお話を伺いました。

薬剤業務向上加算が新設され、これらの取り組みが全国で始まっています。病院と薬局との連携が行われ、地域全体の薬剤業務の向上につながるようしっかりと後押しさせていただきます。

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