コーモト薬局駅前店 浦上 和也

災害薬事コーディネーターの浦上和也と申します。普段は小児科の門前薬局にて勤務しています。
今回、岡山大学病院の大川先生よりバトンをお受けしましたので、リレーを繋げさせていただきます。
私は生まれも育ちも岡山県であり、地域柄か自然災害が少なく危機感を感じることはありませんでした。自然災害をはっきりと認識したのは大学5年次に行われる薬局での実務実習の際にテレビニュースで見た東日本大震災です。当時、関西地方の実習中での出来事であり、何があったのかすぐに理解できませんでした。
大学卒業後は、ドラッグストア、病院、調剤薬局での勤務をしてきました。大学卒業後の数年間は薬剤師としてスキルアップをしたいと思い、浅く広く様々な分野を学習していました。災害派遣との出会いは岡山県の薬局に勤務している時に起きた西日本豪雨です。記憶が曖昧ではありますが、勤務先に岡山県薬剤師会から災害派遣募集のF A Xが届いたのを見て参加したと思います。災害派遣の参加理由として、地元の災害であり何か自分にもできることがあると思い参加しました。その後、岡山県薬剤師会から災害薬事コーディネーターを育成するプログラムを知り、今後もっと自分が役に立ちたいと思い参加しました。
災害派遣の経験としては、上記の西日本豪雨、能登半島地震への災害派遣を経験しております。能登半島地震の際は日本薬剤師会の災害支援薬剤師として石川県へ派遣されました。3人1チームで編成されており第一陣での参加でした。不安要素が多々ありました。情報が少ない第一陣であること、雪道、移動時間がかかる等緊張しっぱなしの状況での参加でした。しかし、現地では他県の災害派遣薬剤師チーム、薬剤師以外の災害派遣のスタッフさん、現地の職員さん等数多くの人々と助け合いながら派遣業務を行うことができました。
災害時には様々なことが起こるので統一した災害対策マニュアルを作成することは難しいです。
しかし、過去の体験から行ってきた災害業務やある程度想定できるシミュレーション等の研修は行えます。岡山県災害対策特別委員会の一員として、災害時に様々な支援ができるよう平時から活動しています。
岡山労災病院 田窪 和樹
災害薬事コーディネーターの田窪和樹と申します。この度、武田病院の大賀良一先生よりバトンをお受けしましたので、繋げさせていただきます。
私が災害医療に関わることになったきっかけは、2016年の熊本地震の時に、DMAT標準薬品リストの準備をしたことでした。急いで準備に取り掛かりましたが、引き継ぎも含めて計3隊出動する情報があったため、3セット一気に準備をしてしまいかなり時間をかけてしまったことを覚えています。当時、災害医療のことを全く知らず、薬剤部にも災害のことを把握しているものがいなかったことから、どういった行動が良かったのか確認するためDMAT隊員の方に声をかけ、色々とご教授いただきました。災害に関わることになったのはそういった経験と先輩方の教えのおかげでした。
初動の大切さ、日頃の準備が重要ではありますが、通常業務とは異なるためいかに通常業務に繋げられるかは皆さん共通の課題かと思います。また転勤を経験したことで施設間での災害に対する意識に差があることを実感しました。岡山県は災害や地震の頻度が少ないことから、意識を保ちにくい環境だと思います。病院経営も難しくなっていることから災害医療まで着手するのは難しいのかもしれません。
近年は実習生に災害に対する講義を行なっています。微力ではありますが、災害に対する知識が少しでも広がることで、助かる命が増えてほしいと思っています。2024年から集中治療に携わるようになりました。臨床での経験を災害医療に繋げられるよう精進したいと思います。
株式会社ハローファーマシー ハロー薬局富田店 兒山 智治

地域災害薬事コーディネーターの兒山智治と申します。普段は岡山市内の薬局で勤務しています。
今回、赤十字病院の小池先生より、バトンをお受けしましたので、リレーを繋げさせていただきます。
ハロー薬局は、岡山市、瀬戸内市、赤磐市に店舗がある薬局です。元々私の父が創業した薬局です。1号店は百間川のすぐ近くということもあり、水害には少々不安がある立地に位置しておりました。ハザードマップを見ても確かに赤くなっています。西日本豪雨災害の際にも、実際に水があふれる寸前でした。かろうじて被害は免れましたが、周辺で道路が水没して社員が出勤できないという状況でした。
私自身の災害対応の経験としては、西日本豪雨災害で真備町へ支援物資を配達した程度で、ほぼ無いに等しいのですが、昔から地域に店舗を構えた薬局としての使命感はありましたので、ちょうどそのタイミングで新たに創設された「災害薬事コーディネーター」資格を取得することになりました。
災害活動というと避難場所での災害処方箋対応などがイメージしやすいと思いますが、災害薬事コーディネーターは保健所などで各避難場所の情報収集を行い、被災地の医薬品等や薬剤師のニーズの把握、医薬品の供給や薬剤師の派遣調整等を行う立場にあります。確かに災害現場は大変混乱した状態にありますから、このような指示系統が必要だと思います。
まだ経験不足ではございますが、このような資格を活かして有事の際には、災害にあった薬局や医薬品供給の支援を行っていきたいです。まずは身近なところからハザードマップや近所の避難所を再確認するなど、日頃より備えておこうと思います。