「本田あきこオレンジ日記」5月
本年1月24日に開会しました第217回通常国会は、本稿をお読みいただく頃には終盤に差し掛かり、厚生労働委員会をはじめ各常任委員会では、内閣提出の各種法案の会期内成立に向けた審議日程に関する与野党間の調整が激しさを増す時期を迎えていると思います。
今国会に提出され、4月17日に衆議院で可決されました「薬機法」(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)等の一部を改正する法律案については、5月8日の参議院厚生労働委員会で実質的な審議が始まり、与野党全体のトップバッターとして神谷政幸先生が質疑に立ちました。
内容が多岐にわたる今回の改正では、社会問題化している濫用防止対策について、薬機法が“流通規制”として、濫用のおそれのある医薬品の販売にあたり制限的な取扱いを求めています。
加えて特筆すべきは「後発医薬品製造基盤整備基金」の創設です。医療用医薬品の供給を安定化させるため、基金に国費を投じて生産性向上に向けた設備投資や事業再編などを支援します。基金の法的位置付けはいわゆる「基盤研法」になりますが、平成5年、薬事法(当時)の目的規定に「研究開発の促進」等を加え、希少疾病用医薬品などの研究開発の促進を図った法改正に匹敵する思い切った改正になります。
今国会で私は厚生労働委員会所属ではありませんが、4月7日の決算委員会にて、創薬力強化を念頭に、多様な人材輩出に資する薬学教育コアカリキュラムの改正となるよう求めました。また4月15日の文教科学委員会では、OTC医薬品の過量使用による健康被害が若い世代で増え続けている折、小学校低学年の学習指導要領に「くすりの適正使用」を加えるよう提案しました。
質疑の場は違うものの、厚生労働、文部科学両省で大臣政務官を務めた経験を生かし、薬剤師議員二人体制の強みを最大限発揮して、物価対策・賃上げ対応を含め、これからも薬剤師や薬業界を取り巻く課題を解決していきます。

所属委員会は違えど、常に神谷政幸先生と共に
(2022年11月24日 参議院厚生労働委員会)

2025年4月15日 文教科学委員会での質疑