令和8年5月、医療用医薬品「ロゼレム」と同一有効成分であるラメルテオンを配合した要指導医薬品「ロゼレムS」が承認されました。これまで市販されていた睡眠改善薬の多くは抗ヒスタミン薬を有効成分としていましたが、ラメルテオンは睡眠ホルモンであるメラトニン受容体に作用し、体内時計を整えることで自然な眠りを促すという、これまでとは異なる作用機序を持つことが大きな特徴です。
一時的な不眠に悩む方にとって新たな選択肢となる一方で、販売にあたっては薬剤師による適切な確認がこれまで以上に重要になります。不眠の背景には、うつ病や睡眠時無呼吸症候群などの疾患が隠れている場合もあり、症状や経過、生活習慣を丁寧に確認し、必要に応じて医療機関への受診勧奨を行うことが求められます。
また、ラメルテオンは依存性や耐性のリスクが低いとされていますが、フルボキサミンとの併用禁忌や高度な肝機能障害のある方への使用、高齢者への投与など注意すべき点もあります。そのため、「安全性が高い薬だから誰でも使える」という認識ではなく、要指導医薬品として薬剤師が適正使用を支援することが重要です。
近年、睡眠に関する相談は薬局でも増加しており、「寝つきが悪い」「途中で目が覚める」といった悩みを抱える方も少なくありません。睡眠改善薬を提案するだけでなく、睡眠衛生の改善や生活習慣へのアドバイスを含めた健康相談を行うことが、地域薬局の役割の一つと考えます。
一般用医薬品特別委員会では、今後も新たなスイッチOTC医薬品に関する情報を共有し、会員の皆様が安心して適正販売・適正使用支援を行えるよう取り組んでまいります。ロゼレムSの登場を契機として、薬剤師によるセルフメディケーション支援の価値を改めて発信していきたいと思います。
