リレーバトンを引き継ぎました、堀優太と申します。私は薬局薬剤師として日々の業務に携わる一方で、薬局の外に出て地域の皆さまと顔の見える関係を築くことを大切にしています。今回はその取り組みについてご紹介します。
サニードラッグでは「健幸ラウンジ(認知症カフェ)」を月に1回実施しています。薬局が入る商業施設の一角を活用し、認知症の方やご家族、地域住民が気軽に集える場をつくっています。お茶を飲みながら健康相談を受けたり、専門家を招いて学びの機会を設けたりすることで、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを目指しています。

この健幸ラウンジの活動は、高梁市や保健所、そして企業とも連携して行っています。行政は、高齢化や生活習慣病など多くの地域課題を抱えています。その課題に薬局が積極的に取り組むことこそが、地域包括ケアの実現につながると考えています。例えば、心筋梗塞による死亡率が高いという地域課題に対応するため、血圧測定や心電図測定のイベントを保健所や企業と協力して行いました。薬局の取り組みに共感いただいた企業からは心電図計を貸していただき、住民の皆さまに体験してもらうことができました。行政や企業との連携によって、薬局だけでは実現できない取り組みを形にすることが可能になっています。

さらに、地域活動の広がりとして「子ども薬剤師体験」にも取り組んでいます。これは高梁市社会教育課の「たかはし広がる子どもの夢事業」として実施しているもので、子どもたちに白衣を着てもらい、調剤体験を通して薬剤師の仕事に触れてもらう活動です。楽しそうに体験する子どもたちの姿から、未来の選択肢を広げる機会となり、薬局が地域の教育や学びの場としても役割を果たせることを実感しています。
こうした活動を通じて実感するのは、「薬局は薬を渡すだけの場所ではなく、人と人、地域と行政をつなぐハブになれる」ということです。今後も官民が協力しながら、地域住民の健康を支える取り組みを広げていきたいと考えています。