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vol.279 2026年1月号

外来服薬支援料2(支B)
審査情報から読み解く実務ポイント

委員長 田中 敬二

前回、外来服薬支援料2の制度的背景と、薬剤師業務が「対物」から「対人」へ転換してきたことについて解説しました。今回は、審査支払機関から得られた情報をもとに、外来服薬支援料2の定義と実務上のポイント、査定を避けるための留意点を整理します。

一包化の定義(外来服薬支援料2)

まず、外来服薬支援料2における「一包化」の定義を確認します。

『調剤報酬点数表の解釈(令和6年6月版)』72頁には、次のように記載されています。

(3)一包化とは、服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤、または1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されている場合に、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいう。なお、一包化に当たっては、直接の被包から取り出した後に行う。

この定義を踏まえ、算定対象となる条件や対象外となるケースを整理すると、次のようになります。

ポイント

  1. 算定対象となる条件
    ・ 同じ服用時点に複数剤がある場合
    ・ 1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されている場合
  2. 対象外となる場合
    ・ 服用時点が重ならない場合(例:朝1剤、夕1剤)
    ・ 服薬支援目的ではなく、単なる利便性向上のみを目的とした一包化(査定例あり)

審査支払機関からの情報に基づく査定例と注意点

実際の査定では、「一包化の必要性」や「治療上の妥当性」が重視されます。以下に代表的な例を示します。


(1)査定例

以下のようなケースでは、査定の対象となることがあります。

  • 患者の希望による一包化の場合
    医師の指示があれば一包化は必須ですが、保険適用か自費かの判断は薬剤師が行う
  • 定期処方は一包化せず、臨時処方のみ一包化する場合
    例:ピロリ除菌の3剤同時服用
  • 乳糖(賦形剤)を含めて1剤3種類と数える一包化の場合。
    →賦形剤は算定対象外
  • 外箱に「一包化不可」と記載がある薬剤が含まれる場合
    例:プラザキサカプセル
  • 添付文書に「一包化しないこと」と記載されている薬剤が含まれる場合。
    例:デパケン錠、セレニカR錠、インヴェガ錠、コンサータ錠、レグナイト錠、ファモチジンOD錠10mg・20mg「YD」「日新」「Me」、クレストールOD錠、ロスバスタチンOD錠「オーハラ」「DSEP」「KMP」など

これらはいずれも「治療上の必要性」または「剤形・性質の適合性」を欠くとして、査定されやすい事例となります。

(2)注意点

以下の2つは、誤解されやすい特殊なケースとして注意が必要です。

  • 同一有効成分の普通錠とOD錠を一包化する場合
    通常別剤形ですが、同じ服用時点で一包化できる場合は「服用方法が同じ」とみなされます。
    結果として1剤3種類に満たなくなる場合があります。
    (例:リスペリドン錠+リスペリドンOD錠⇒実質1剤扱い)
  • 舌下錠やチュアブル錠が含まれる一包化の場合
    舌下錠やチュアブル錠は、服用方法が異なるため別剤形として扱われます。
    しかし、一包化により他の内服薬と同時に服用する形となると、服用方法が同一となり、別剤としての取り扱いができません。この結果、通常は算定可能であった薬剤調製料・管理料が算定不可となります。

算定にあたっては、服薬方法を医師と十分に確認し、その確認内容を薬歴に記録しておいて下さい。

摘要欄への記載が望ましいケース

原則として外来服薬支援料2では摘要欄記載は不要ですが、一包化の必要性が明確でない場合には、理由を記載して説明責任を補うことが望まれます。

  • 多種類の薬剤を服用している30〜40代の成人で、特定の疾患や心身の特性がない場合
    → 一包化理由を記載すると判断根拠が明確になります。

記載例

  • 一包化理由:認知機能低下、パーキンソン病、関節リウマチなど
  • 一時的理由(利き手骨折など)は治癒後に算定不可

    (参考:『令和6年版 保険調剤Q&A 日本薬剤師会』p.174)

支B併算定の可否

外来服薬支援料2(支B)の算定にあたっては、他の加算との併算定にも注意が必要です。

以下に支Bとの主な組み合わせと算定可否をまとめます。

組み合わせ算定可否条件
支B × 自(自家製剤加算)一包化した服用時点が重ならない場合
支B × 分自(自家製剤加算・錠剤の半割)同上
支B × 計(計量混合調剤加算)同上
支A(外来服薬支援料1)
× 同日受付処方箋による一包化
不可支A、支Bの同時算定不可

査定を避けるための確認ポイント

査定を防ぐためには、定義や条件を満たすだけでなく、薬剤師としての判断や記録が適切に行われていることが求められます。

以下の点を日常業務で確認しておくと良いでしょう。

  1. 定義どおり、服用時点ごとに正しく一包化されているか
  2. 医師の指示・治療上の必要性・患者説明の記録が残っているか
  3. 剤形特性(OD・舌下・チュアブル・一包化不可薬等)を確認しているか
  4. 判断が難しい場合、摘要欄に一包化理由を明示しているか

まとめ

外来服薬支援料2は、「一包化」そのものを目的とする加算ではなく、「服薬支援」を目的とした点数です。一包化の目的や理由を薬歴に明確に記録し、摘要欄も活用して、説明責任と適正算定を果たしましょう。薬剤師一人ひとりが必要性を見極め、医師や患者と連携して取り組むことが、適正算定への第一歩です。

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