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vol.282 2026年7月号

積極的に地域にかかわる意識を

委員長 辻本 正浩

今号が出る頃には新たな調剤報酬改定が施行され、会員の皆様も新ルールに戸惑いながら日々忙しくされていることと思います。今回の改定の全体像を眺めますと、かねてより言われていた「対物業務から対人業務へのシフト」という方向性がより明確に、そして具体的に打ち出された内容になっていると感じます。これまでの薬局内での調剤や管理といった「物」を中心とした業務のあり方が見直される一方で、患者さんへの直接的なアプローチや、多職種との関わりといった「人」を重視した取り組みに、より大きな光が当てられるようになりました。

このような変化の中で私たちが特に大切にしたいのが、在宅医療をはじめとする地域での関わり方です。

私たちの仕事は単にお薬を正確にお渡しすることだけではありません。患者さんがどのような環境で暮らし、どのような不安を抱えているのか、実際に生活の場に触れながら丁寧に汲み取ること。そして、医師や訪問看護師、ケアマネジャーといった地域の多職種と手を取り合い、一人の患者さんを真ん中に置いて支えていくこと。これらの一連のコミュニケーションこそが、これからの時代に求められる「対人業務」の本質ではないでしょうか。

今回の改定は、私たちがこれまで取り組んできた日々の姿勢が改めてその大切さを認められたものとも言えます。制度が変わる当初は、新しいルールの確認や手続きなど、少し慌ただしい日々が続くかもしれません。しかし、基本にある「患者さんのために何ができるか」という原点は変わりません。

外来での対応から在宅でのサポートまで、一つのつながりとして患者さんの生活にそっと寄り添っていくこと。この改定を機に、私たち薬剤師ならではの「人に寄り添う力」を、地域の中で少しずつ、丁寧に育てていきたいものです。

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