2025年9月号の会報にて変更調剤についてご説明いたしましたが、掲載内容に含まれていない事項に関するご質問が寄せられているため、以下の通り補足いたします。
【変更調剤の原則】
先発 → 後発:変更可能
後発 → 先発:変更不可(疑義照会)
- 変更調剤は「成分」ではなく「医薬品の区分」と「変更の方向」で判断します。
- 局方品など制度対象外の医薬品は変更調剤できません。
| 質問 ① | 処方箋の記載が「プレドニン錠5mg」の場合、「プレドニゾロン錠5mg 『旭化成』」へ変更する際、疑義照会は必要か。 |
| 回答 | 疑義照会が必要です。 プレドニン錠5mgは古くから使用されている局方品に該当し、先発医薬品・後発医薬品の区分に基づく変更調剤の対象外となります。 そのため、同一成分であっても変更調剤として取り扱うことはできず、医師への疑義照会が必要となります。 |
| 質問 ② | 「ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏0.05% 『MYK』」が銘柄指定で処方されている場合、「アンテベート軟膏」へ変更する際、疑義照会は必要か。 |
| 回答 | 疑義照会が必要です。 ・ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏0.05% 『MYK』 : 基礎的医薬品(元後発医薬品) ・アンテベート軟膏 : 先発医薬品 本件は後発医薬品から先発医薬品への変更に該当し、変更調剤の対象外となるため、疑義照会が必要です。 |
| 質問 ③ | 以下の場合、疑義照会は必要か。 ① 先発医薬品 → 後発除外品 ② 先発医薬品 → 基礎的医薬品 |
| 回答 | ① 不要 ② 基礎的医薬品となる前の区分が後発医薬品であれば不要 後発除外品は制度上、後発医薬品として扱われるため変更調剤が可能です。 また、基礎的医薬品については、元々後発医薬品であったものに限り変更調剤が可能となります。 |
【参考】診療報酬における医薬品区分
- 長期収載品
後発医薬品が存在する先発医薬品のうち、後発品収載後5年以上経過したもの等 - 先発医薬品
新規有効成分を含有するものとして承認された医薬品 - 準先発品
1967年以前に承認された医薬品のうち、後発医薬品が存在するもの - 後発医薬品(ジェネリック医薬品)
先発医薬品の特許満了後に販売される同等成分の医薬品 - 後発除外品
薬価が先発医薬品と同等またはそれ以上であり、後発医薬品の算定対象から除外されるもの - 局方品(日本薬局方収載医薬品)
日本薬局方に収載されている医薬品。古くから使用されている医薬品も多く、一部には先発医薬品・後発医薬品の区分による変更調剤の対象とならないものがあるため、取扱いには注意が必要。 - 基礎的医薬品
長期間使用され医療上不可欠であるが、不採算により供給継続が困難となる恐れがあるため、薬価が維持されている医薬品
【基礎的医薬品の確認方法】
基礎的医薬品は名称や成分では判断できません。厚生労働省の基礎的医薬品等の一覧で該当の有無を確認してください。基礎的医薬品へ変更調剤する際は「元が先発か後発か」を確認し、その区分で判断してください
【まとめ】
変更調剤の可否判断にあたっては、以下の点に留意してください。
- 先発医薬品 → 後発医薬品(または後発除外品)は変更可能
- 後発医薬品 → 先発医薬品は変更不可(疑義照会が必要)
- 基礎的医薬品は「元の区分」によって判断が異なる
- 局方品等、制度の対象外となる医薬品は変更調剤不可
変更調剤は、「同一成分であれば変更可能」との誤認が生じやすいため、単に成分の同一性だけで判断するのではなく、医薬品の制度上の位置づけ(先発・後発・基礎的医薬品等)を必ず確認することが重要です。
判断に迷う場合は安易に変更せず、疑義照会を行うなど慎重な対応を心がけてください。
今後も適正な変更調剤の実施にご留意いただきますようお願いいたします。