味物質や匂い物質から、感覚器を経て、脳にいたる感知メカニズムまでを、最新の研究成果にもとづき、話題豊かに紹介する。
鼻から脳へ
香りは五感で最も直接的に脳に届く。五感のうち、嗅覚だけが「大脳辺縁系」に直接入る。香りだけは分析より先に「感情」と「本能」の部分に届く。つまり香りは、考える前に、心が反応する刺激である。
香りが入ると、大脳辺縁系が刺激され無意識のうちに気分や体の状態を変えることが出来る。香りは、気分を変えたい時のスイッチになる。
香りと記憶のつながり(プルースト効果)は、昔の香りで過去の記憶がよみがえるという経験がある。
これは嗅覚が海馬(記憶を司る脳)に近いから起こる現象。
仏教や香り文化の心理作用
密教、座禅、香道でも、香りは精神統一、浄化、集中につかわれる。私たちの気分、体調、心の状態を変える力を持っている。五感の中でも嗅覚だけが持つ、とても特別な特徴である。
味覚と脳の活性
味覚は舌、味蕾、神経、神経、脳幹、大脳皮質大脳辺縁系へ届く。食事は単なる栄養補給ではなく、自律神経、ホルモンに影響。
そして、心の状態、脳の処理速度、記憶力、人間関係への態度まで変える。特にゆっくり味わって食べる人は脳の前頭前野(理性・判断)が鍛えられる。
甘いものが欲しいことは、安心を求めており、酸っぱい物は、変化・行動のスイッチを、苦いものは、心を静かに整えたい、うま味は、安らぎ、休息を、塩は、立て直し・回復を図る。味覚は、言語より原始的な感情表現である。
毎日を健康的に過ごす具体的な生活法
味覚と香りを上手に使うと、毎日の気分、生活リズムが整う。習慣として取り入れよう。朝は、柑橘類(レモン、オレンジ)で、脳を刺激して意欲を高める。食事は、味覚で栄養分を摂り心を満たす。甘未、酸味、苦味、うま味を上手に摂る。味噌汁、出汁、トマト、キノコ、酢の物、柑橘類。
昼は、香りで気分の切り替え。ミント、ローズマリーは、少し嗅ぐと眠気が飛ぶ。夕方は、味と香りで疲れをリセット。ヒノキ、森林系の香り。
番茶・ハーブティーを飲む。副交感神経が働き気分が鎮まる。夜は、香りで睡眠の質を上げる。ラベンダーを利用。これを毎日のサイクルとして続ける。
香りで気分を、味覚で体の調子を整え、生活のリズムを作り、自然に健康に向かわせる努力をする。